わかめみたいに生きるって、なんですか?

私は、不動産会社の営業を試用期間の3か月いっぱいでクビになったことがあります。もう8年ほど前のことにはなるのですが、あの3か月が永遠のように感じていました。
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3か月の永遠の日々
大学を中退してから、はじめての正社員で採用されたのは不動産会社の営業。週六勤務で手取り14万。営業とは言っても、小間使いという表現が一番正しかったような気もしますが…。社長のパワハラ・暴言は当たり前の不動産会社でした。
私の仕事内容は、市内で売ってくれそうな土地・建物をひたすら自転車でドサ回り。よさげな場所を見つけたらご近所さんに飛び込んで聞きこみ調査。
他には、土日はオープンハウスでお客さんが来るのをひたすら待つ。「オープンハウス会場はこちら!」と書かれたのぼりや張り紙を、退勤後に無許可で取り付けに行くこともしていました。
不動産時代なんて遠い過去の話です。でもあの時の3か月の時間は、その後どの会社で過ごした期間よりも、長く色濃く流れていたような気が、今でもするほどです。
誰も来ない中古物件で、声を殺して泣いた日

中古物件のオープンハウスで、いつお客さんが来てもいいように物件の中で待機する日。
朝9時半頃に物件に入り、ひたすらお客さんを待つ。お客さんが来たら物件について軽い紹介をし、アンケート記入を促す。それが私の役割でした。ですが…。
右も左もわからない新人に重要な物件が任されるはずもなく、オープンハウスをしてもほぼ誰も来ません。一日を通して、冷やかしが2組ほど来る程度でした。その他では午前と午後で1回ずつ、上司が様子を伺いに来ます。
お客さんが来たらきっちりと対応しよう、とずっと真面目に構えていた私。誰も来ないのに、気疲れだけでヘトヘトになっていました。
午後3時頃にもなってくると、さすがに疲労で眠くもなり、心も折れてきます。
今の私なら、そんな環境であれば要点だけ押さえてサボり倒します。しかし当時の私は「真面目であればいつか報われる」と本気で思っていました。
一日中開催しているオープンハウス。心も体も限界に来ている私。そもそも誰も来ない物件の、さらに人目のつきにくい場所に隠れ、気付けばスマホを開いて「サラリーマン サボり方」で検索している自分がいました。サボり方検索するなんてどんだけ真面目なんだ。
表示された特集記事は、サボるとは言ってもあくまでも前向きかつユーモアに溢れたものでした。

今回この記事を書くにあたって、8年ぶりに読み返しました。
今となっては「ふふん」くらいの温度感で眺めることができますが、当時の私はこの記事を読んで一人で涙を流していました。
心も体も休まる時間がなくなると、私はこうなった
社長を乗せた社用車で左扉をガリガリと擦り、会社に帰った後延々と塗装ペンで傷跡を処理したこともありました。新居浜で迎えた初めての誕生日の日でした。
草木の生い茂る自社の土地を掃除して、ゴミ処理場へ運搬した時も。最終処分場へ投げ込んだ草木と一緒に、自分のスマホも一緒に投げ込んで亡きものにしたこともありました。
社長の印鑑証明を市役所に取りに行く仕事がありました。交付された印鑑証明を、カバンに入れて持ち帰り社長に渡すだけの小間使い。ですがとうに限界を迎えていた私には、それすらパニックを起こして完遂できませんでした。
「ワシは××××(とんでもない差別用語)を雇ったんか」と呆れられ、残り3日で解雇宣告をされました。長男が生まれる1週間前のことでした。
出勤最終日に指示された仕事は、会社が抱えていた新築自社物件の掃除でした。そこには1週間後にお客さんが入居する予定で、引き渡し待ちの段階でした。
最終出勤日はひたすら、ゴミ一つ落ちているはずがない新築の家の掃除をしていました。
見回りなんて、誰も来やしませんでした。
揺れて揺れて今わかめが

地元の寿司屋に出戻ってからも、不器用なりに真面目に働いていました。時には県外の店舗へ出張もありました。下関のお店で出張に行った時、当時の副店長から言われたことがあります。
「真鍋くんは真面目すぎるから、もっとわかめみたいになった方がいいよ」
わかめみたいに生きるとは、どういうことなのでしょうか。未だにわかめみたいな生き方が見つかっていません。わかめについて生態系から調べたりもしましたが未だに分かりません。
深く考えずに肩の力を抜いて気楽に行こうよ
くらいの意味合いなのかなと今は思いますが、それにしてもわかめみたいに生きるとはどういう生き方なのか。本当のところは分かりません。
わかめみたいに生きるって、何ですか。こんなことを考えている時点で、私はまだまだわかめにはなれないようです。
しかし苦い不動産時代を経て、寿司屋では役職を与えられるまでになった私。その過程で自己啓発書の類を大量に読み漁ったり、いろんな経験をすることで肩の力が抜けました。

中古物件ですすり泣いているあの日の自分が今の私を見ることができたなら、きっと間違いなくわかめに見えることでしょう。
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