ビートルズを蘇らせた技術が、誰でもPCに入れられる時代が来てしまった
先日のレッスン中、ひとりの生徒さんからひとつのソフトを教えてもらいました。
「先生、RipX DAW(リップエックス・ダウ)って知ってますか?」
正直に言えば、その時は名前すら聞いたことがありませんでした。
ただのDAWのひとつだろうくらいに思って、その場では軽く聞き流してしまいました。
でも、あとで何気なく調べてみた僕は、画面の前で固まりました。
「……ちょっと待って、これ、とんでもなくないか?」
RipX DAWは、ただのDAWではありませんでした。
これは、音楽との向き合い方そのものを変えてしまうかもしれないソフトです。
RipX DAWとは

RipX DAW。見慣れない文字列である方がほとんどでしょう。
そもそもDAWとはDigital Audio Workstationの略で、ざっくり言うとPC上で音楽を制作する際に用いるソフトウェアのことです。
PCによる打ち込み制作が主流になっている現代では、多種多様なDAWが発売されています。
Cubase、Logic、Garage Bandなどが多くのミュージシャンに親しまれています。
今回紹介するRipX DAWは、特に「音を分ける力」に優れています。
1曲の音源を読み込むだけで、ボーカル、ギター、ベース、ドラムなどをAIが自動で分離してくれます。
そのため、歌を消してカラオケを作ったり、ギターだけを抜き出して耳コピしたりすることが簡単にできます。
さらにマニアックな話をすると、分離した音源をMIDI情報に変換することもできるということで…DTMerからすればまさに神器です。
そしてこの技術の進化は、趣味や制作の世界だけでなく「音楽の歴史」そのものにまで影響を与えました。
AIによる音声分離が生み出した、ビートルズの新曲

AIによる音声分離。この技術革新によって、次のような奇跡も起こりました。
2023年、世界的バンドであるザ・ビートルズが新曲を出しました。
ご存知の通り、ビートルズは半世紀前に解散しています。メンバー4人のうち2人は既に亡くなっています。
そんな状況であるにもかかわらず、2023年にリリースされた楽曲。
その名も“Now and Then”という楽曲です。この楽曲の原型は1970年代に生まれました。
以下、chatGPTに楽曲の説明をお願いしました。
故・ジョン・レノンが1970年代後半に自宅で録音した未発表のデモ音源を元にした楽曲です。1990年代にほかのメンバーが完成を試みたものの、音質の問題などによって当時は断念されました。
しかし2020年代に入り、最新のAI音声分離技術によってレノンのボーカルを鮮明に抽出できるようになり、ポール・マッカートニーとリンゴ・スターが制作を再開しました。
さらに、故・ジョージ・ハリスンが1990年代に録音していたギターも使用され、こうして2023年に「ビートルズ最後の新曲」として正式に発表されることになりました。
上記MVの中では、1960年代のビートルズと、現代のポール・マッカートニー、リンゴ・スターが共演しています。
この記事を書きながらMVを見てみましたが、見ているうちにどちらが現代の人物なのかが分からなくなってきました。
サイケな彩りの中に佇むと、現代のポールとリンゴの方が合成に見えてくる…そんな奇妙さと、時を越えた夢の共演からくる純粋な感動がありましたね。
往年のファンであれば、きっと涙なしには見られないものとなっていることでしょう。
導入したら、課題曲の耳コピに重宝する
7丁目ギター教室新居浜校では、生徒さん一人一人のやりたい曲を課題曲にしています。
楽譜の制作ソフトでその人に合わせた譜面を作ってレッスンしているのですが、音源の参照元はYouTubeやサブスクサービスからリスニングしています。
音源分離サービスとして有名なものとしてMoisesなどが挙げられますが、この手のサービスはサブスクサービスとして提供されているものばかり。
一方RipX DAWは買い切り型なので、これはめちゃくちゃ導入を悩む!!!
音源分離のサービスを使えばギターだけのトラックを抽出して、より正確な耳コピが可能となりますから、RipX DAWの導入は大いにアリですね…。
より良い楽譜のために導入を検討しております。
まとめ
RipX DAWを導入すれば、音源分離による精度の高い耳コピが可能になり、今以上にその人に合った楽譜を作ることができるはずです。
とはいえ、まだ決めきれていません。本当に買うのか、もう少し調べるのか…。
もし導入したら、そのときの使用感やレッスンでの変化も、正直にここに書こうと思います。

