大爆死の噂は本当か?『えんとつ町のプペル』最新作で味わった違和感とストレスの本当の姿
先週の金曜日から公開となりましたプペル2。
巷では早くも大爆死である、つまらないなどの空気がガンガン蔓延していますね。
日曜日に観てきたので、今回は映画の感想をネタバレ無しで書いてみました。
先に断っておくと、私は熱心なプペルファンではないです。
そもそも「プペル」って?
『えんとつ町のプペル』:常識を打ち破り、星を証明した物語
Geminiさんによる解説はこちらをタップ
**『えんとつ町のプペル』**は、お笑い芸人・西野亮廣氏が手掛けた、現代のエンターテインメントを象徴する作品です。
■ 常識を覆した「分業制」の絵本
2016年に出版された絵本は、業界では珍しい完全分業制で制作されました。クラウドファンディングで集めた1億円以上の資金を背景に、30名を超えるクリエイターが参加。それまでの絵本にはなかった、映画のように緻密で圧倒的な映像美を実現しました。さらに「全ページ無料公開」という異例の戦略を打ち出し、累計発行部数70万部を超える大ヒットを記録しました。
■ 世界へと広がったアニメ映画化
2020年には、満を持して劇場アニメ版が公開。圧倒的なクオリティのアニメーションは、日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞するなど高く評価されました。「夢を語れば叩かれる」現代社会の縮図のようなえんとつ町を舞台に、孤独なゴミ人間プペルと少年ルビッチが星を探す姿は、多くの大人たちの心も揺さぶりました。
■ 作品が持つメッセージ
「誰かが見たのか? 誰も見ていないだろ? だったら、ないかどうかなんて分からないじゃないか」
絵本から映画へと形を変えながら一貫して描かれているのは、**「挑戦する人を笑わない」**という力強いメッセージです。この作品は今や、ミュージカルや歌舞伎など、ジャンルを超えて広がり続ける壮大なエンタメプロジェクトとなっています。
1作目の映画はコロナ真っ只中の2020年に公開されました。
絵本から映画に至る過程において、前例のない手法ばかりを用いているがゆえに周りの理解を得られず炎上しまくっている作品群ですね。
続編の鑑賞の前に1作目を拝見してみましたが、「絵本発のよくできたエンタメだなぁ」というくらいの印象でした。
大人でも退屈はしない程度のクオリティは担保しつつ、メインターゲットは子供向けのエンタメ作品かなと。
「プペル」も「えんとつ町」もほぼ出ない続編
で、今回の続編なんですけれども。
「プペル」も「えんとつ町」もほぼ出てきません。
予告編ではさも「プペル奪還を中心とした冒険活劇」みたいに仕立てられていますが、全然そんなことないです。
プペルの名を冠していますが、実質スピンオフ作品です。
前作のメインキャラクターであるルビッチよりも今作のわき役(?)の方に目が行きますし、映し出される尺も長い。
計算され尽くしたストレスと既視感
観た人には伝わると思うんですけれども。
もう、前作の面影なんてほとんど無いんですよ。
まず前作の続編であるという認識で足を運んだ我々は、まったく違うレベルの世界観に連れ込まれます。
一応今作のあらすじを載せておきます。一部省略しています。
大切な親友プペルを失い、悲しみに暮れていた少年・ルビッチ。しかし、信じて待つことを諦め、前に進みだそうとしていた彼はある日、時を支配する異世界“千年砦”へと迷い込んでしまう。そこには11時59分で止まっている不思議な時計台があった。ルビッチが元の世界に戻る唯一の方法は、「止まってしまったこの時計台を動かす」こと――。ルビッチがもう一度“信じる勇気”を取り戻したとき、ハロウィンの夜に奇跡が起こる。
舞台がそもそも異世界です。えんとつ町じゃありません。

迷い込んだ異世界から抜け出すために奮闘するシナリオはモロに「〇と千〇の〇隠し」です。
こっそりオマージュとかじゃないです。見ればすぐに分かります。これジブリやんと。
映画の中で街が大災害に襲われるシーンがあるのですが、これも見てほしい。

やっぱジブリやんけ!
「もの〇け姫」やら「ナウシ〇」を絶対想起しましたよね?私もしました。
そいでもって今作のカギを握るキャラクターたちがこちら。

…ゼルダの伝説ですか?

プペル見に行ったらゼルダの伝説みたいなキャラクターたちがジブリやってた
これが鑑賞中の正直な感想で、何を見せられているのかと困惑しっぱなしでした。
途中ミュージカル調になってディズニーな空気感になるし、オイラついてけねぇよ。
ジブリ×ディズニーという約束された高品質と手を組んだ、ベンチャーアニメの大いなる可能性
でもそこは西野氏。ちゃーーーんと気持ちよく落としてくれました。
ジブリやディズニー要素は正直言って、この西野マジックの前には何の意味も為さなかった。
むしろ誰もが分かるであろう大手IPをあえてチラつかせることで、作品として高品質であることは担保されているわけで。
ただそれだけだと単なる焼き直しになるからこそ、切に問われる脚本の内容ですが、
映画開幕からずっとかけられ続けた既視感とストレスを、ここぞという場面で一瞬にしてプペルの世界観に塗り替えてしまいました。
オセロの四つ角だけにすべてを賭けて、世界を塗り替える圧倒的な爽快感。
相当よくできたシナリオだと思います。映像のクオリティはそもそもとんでもないですし。
めちゃくちゃ良い映画、エンターテインメントでしたよ。
子供向けという枠からはみ出して、全世代楽しめる作品だと思います。
「お笑い芸人のお戯れ」なんかじゃ決して無い
これを資本ある大手の会社ではなく、お笑い芸人発信のベンチャー組織が成し遂げているのが本当に意味不明です。
炎上の話題ばかりが目立つけれども、お笑い芸人が非常識をまき散らしながら書き散らした作品群では断じて無い。
西野氏のキャリアのスタートが芸人であったことや、プロジェクトの手法が一般的ではない分だけ非難の的に挙げられやすいですが、どこまでもワクワクさせてくれる景色を、人生賭けて魅せてくれている人なんだなということがきっと分かるはず。
これが売れないのはどうかしているとしか思えないし、エンタメの世界にとって大きな損失でしょう。
どんなきっかけでも良いから、多くの人に届いてほしいですね。色眼鏡なんて粉々に砕け散る素晴らしい映画でした。
最後に
まったく別の監督さんの作品になってしまうのですが、
「アイの歌声を聴かせて」というアニメ映画がありまして、これが好きな人はプペル2も絶対好きになると思います。
こちらの作品、知り合いに誘われたのをきっかけに映画館で観ました。冒頭20分ほどの時点で観るに堪えかねて途中で帰ろうかと真剣に思いましたが、最後には最大級に号泣させられました。気に入りすぎてその後Blu-rayも買いました。
ある瞬間からこれまでの景色がすべて変わる作品が好きな方は、ぜひとも両方観てほしいですね。
P.S.モフを演じるMEGUMIがマジで良かったです


